慶應義塾大学大学院 経営管理研究科とは神奈川県横浜市港北区日吉にキャンパスを構える慶應義塾大学の経営大学院で、慶應大学ビジネススクール(KBS)と呼ばれていることもあります。
1962年に創立された日本で最も歴史のあるビジネススクールで、MBAやPh.D.といった学位を授与するプログラムを提供する【慶應義塾大学大学院経営管理研究科】と、様々な短期間のエグゼクティブセミナーを提供する【慶應義塾大学ビジネス・スクール】があり、両者を包括して、創立時からの名称である「KBS」と呼んでいます。
ミッションとして「KBSは新たな構想を作り実現するリーダーを育成する。そのために、多様な学生がともに学ぶ喜びを知り、世界一線級の研究を発信し、実務経験と体系的知識を融合する場を提供する。」ということを掲げており、ケースメソッド形式の授業を積極的に取り入れていることでも有名です。
基本情報
学校名 | 慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 (慶應大学ビジネススクール:略称KBS) |
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プログラム | 全日制、E-MBA |
入学試験時期 | 秋:10月 冬:2月 |
入学試験内容 | 書類選考、筆記試験、面接 |
入学倍率 | 全日制:出願者数354人、合格者数88人、倍率約4.02倍(2023年度) ※入学倍率は弊社調査によるもので実際とは異なる可能性もございます。 |
国際認証 | AACSB、EFMD、AAPBS、PIM |
ゼミ活動 | あり |
修士論文 | あり |
学費 | 全日制 初年度:2,217,600円、2年間で約4,400,000円程度 |
住所 | 〒223-8526 神奈川県横浜市港北区日吉4-1-1 |
電話番号 | 045-564-2441 |
URL | https://www.kbs.keio.ac.jp/ ※最新情報については上記公式サイトからご確認下さい。 |
特徴について
実践的な教育方法「ケースメソッド」を採用
ケースメソッドでは受身の姿勢で知識を身につけるのではなく、自らの考えを積極的に説明し討論する双方向型の授業方法を経験することで、実践的な経営能力を身につけることが特徴です。
一般的な知識や理論の一方的講義からは得られない実践的な経営意思決定を行う実務能力、分野横断的に知識を体系化する能力、実務と理論を融合することによって生まれる強力なリーダーシップと経営に対する使命感を得ることが期待できます。
世界基準の教育品質保証と国際ネットワーク
世界各国からの留学生、多種多様な業種からの学生が机を並べて議論を戦わすことがKBSで学ぶ大きな強みです。
国際競争力を高め、アジアを代表するビジネススクールとして、グローバル人材育成ニーズに対応しています。
日本で最初に国際認証を取得したビジネススクールということでも知られており、世界のビジネススクールとの協定や国際提携による人脈やコンテンツを最大限に活用することも可能でしょう。
経営や自社の課題について学び考えることに集中するカリキュラム
討論のための準備~討論~振り返りや体系化のため、「朝から夜まで学び考えること」に集中して取り組むことを目的としており、平日昼間に通う全日制プログラムがメインとなります。
学業に専念している方が多く、多くの学びを得られる環境と言えるのではないでしょうか。
強固なネットワーク活動
OBOG会など学生・修了生主体の活発な活動が行われています。
特に他校と比べてもネットワーク力が強いことに定評があり、年次が被っていなくてもKBSに通っていたことによるネットワークで卒業してからもコミュニケーションが取りやすいのではないでしょうか。
日本で最も歴史があるビジネススクールであることからOBOGの数が多いことも特徴です。
入試について
KBSの入学試験は秋:9月、冬:1月に書類締め切りとなっており、基本的には【第一次選考】書類審査、【第二次選考】筆記試験(小論文)、面接といった流れです。
書類選考は研究計画書と呼ばれるもので、今までどんな経験をして入学後にどんな勉強をして、将来どう活かしたいかと言ったものを簡潔にまとめましょう。
筆記試験は小論文形式になっており、短時間で論点を整理し、端的にアウトプットすることが求められます。
面接は教授との面談で提出した研究計画書をもとに様々な質問をされます。
2022年までは新型コロナウイルスの影響で筆記試験(小論文)が免除になっていましたが、2023年は筆記試験が再開される予定です。
2023年度の出願数は354人、合格者数88人、倍率が4.02倍となっています。
プログラムと費用について
初年度:2,217,600円、2年間で約4,400,000円程度
となっています。
また、各種奨学金や教育訓練給付金の支給が適用される場合もありますので、入学前に該当するものはないか調べてみても良いと思います。
授業内容について
教員の授業スタイルは多種多様ですが、他校と比べてケースメソッドを利用した授業が多いことが特徴です。
入学後に1週間程度の合宿があり、ケースメソッドの取り組み方や授業についてみんなで理解していきます。
2クラスに分かれていて年に何回かクラス分けもあり、その中で8人程度のグループが作成されます。
まずは自分で学習をしてからグループで議論を交わし、授業に臨むことが求められるため学習の理解度合いが非常に深まることが期待されるでしょう。
一方で他校よりも授業が厳しく、2年生に進級できない場合も見受けられます。
ケースメソッド
ケースメソッドでは教員が独自に作成したものから海外ビジネススクールのケースを利用するものまで幅広くあります。
ビジネスケースに綴られているのは、実在する企業が日々直面している経営課題です。
経営者の視点に立って、ビジネスケースを読み解き、議論を繰り返す必要があります。
多様な事例を元に経営者意思決定を擬似体験することで、実践的なマネジメント力を高めていることが特徴です。
ケースメソッドを通じて分析力、論理的思考、プレゼンテーション能力、リーダーシップといった経営に必要となるスキルを予習・グループ討議・クラス討議の3ステップを繰り返すことで高めていきます。
ゼミ活動
ゼミ活動として専属の教員が付いた上で修士論文があります。
在学生はもちろん、OBOGや後輩との繋がりなど重要なネットワークコミュニティになるのは間違いありません。
オンラインへの取り組み
新型コロナウイルスの感染拡大を背景にオンライン授業への移行もしてきました。
2022年度は教室でのリアル授業に戻っていますが、今後の状況によってはオンライン授業を取り入れながらになる可能性も考えられます。
評判について
日本経済新聞社が実施した調査の「国内MBAランキング」で3年連続1位となりました。
「世界で活躍するビジネスリーダーの養成」ということで、国際プログラムにも力を入れています。
また、慶應の卒業生には愛校心が強い方が多く、寄付講座を開催したり、採用活動をしたり、卒業生が生徒の育成を支援をし、その生徒もまた卒業してから後輩を応援するという、輪を繋げていくような面が、かなり強い学校です。
学生について
学生は日本人が多いですが、中国人、韓国人、タイ人など日本語を話せる留学生も見受けられます。
基本的には就業経験が入学要項として設けられておりますが、学部卒から入学する方も一定数いるため他のビジネススクールよりも20代の方が多いです。以下の図を参考にすると半数以上が20代の学生になります
普段のお仕事における役職は関係なくフラットに議論できる環境ですが、特に実務経験の長い学生からの意見は教科書では学ぶことの出来ない現場の生の声を伝えていることが多いと言えるでしょう。
卒業生の進路について
企業派遣の方は派遣元の企業に戻る場合が大半ですが、授業を共にする仲間に刺激されて在学中に転職する学生や、起業を志す学生も見受けられます。
コンサルティング業界や経営企画系のポジションに転職している方もいます。
おすすめの方
学部卒や20代の方も多いため、若手の方でMBA取得後にキャリアアップを目指している方が中心です。
実践的な教育環境の提供に定評があり、マネジメントやリーダーシップに関心がある方にピッタリの学校と言えるのではないでしょうか。
また、留学制度も充実しているため海外での学習に興味がある方にもおすすめです。