京都大学大学院 経営管理教育部経営管理専攻とは京都市左京区にキャンパスを構える京都大学の経営大学院で、京都大学ビジネススクール(GSM)と呼ばれていることもあります。
2006年4月に、京都大学の自由な学風のもとで、高度経営専門職人材を育成するための専門職学位課程を擁する大学院としてスタートしました。
先端的なマネジメント研究と高度に専門的な実務との架け橋となる教育体系を開発し、幅広い分野で指導的な役割を果たす個性ある人材を養成するとともに、高い倫理性を伴った研究を推進することで、地球社会の多様かつ調和の取れた発展に貢献することを理念としています。
MBA/専門職学位課程ではビジネスリーダーシップなど4つの基幹プログラムに観光経営科学コースを加えた日本語プログラム群と、英語のみで修了できる国際プログラム群に、京都大学―コーネル大学国際連携コースが用意されています。
常勤教員1人に対しておよそ7人の少人数クラスを中心として、企業経営に関わる幅広い領域を、講義やケースなどを通じて学ぶとともに、経営戦略やファイナンスなどの高度な分析手法を身につけます。
職務経験の無い方やお仕事を辞めたり休職して通学予定の方は一般選抜、企業派遣や自営業の方などお仕事を続けながら通学予定の方は特別選抜での受験になっています。
関西だけではなく、日本を代表するビジネススクールと言えるでしょう。
基本情報
学校名 | 京都大学大学院 経営管理教育部経営管理専攻 (京都大学ビジネススクール:略称GSM) |
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プログラム | 昼 |
入学試験時期 | 一般選抜 出願書類提出:10月、1次試験(筆記試験):11月 特別選抜 出願書類提出(1次試験):11月、2次試験(面接):1月 |
入学試験内容 | 一般選抜:書類審査、筆記試験 特別選抜:書類審査、面接 |
入学倍率 | 一般選抜:出願者数214名、合格者数25名、約8.56倍 特別選抜(+MBA生特別選抜含む):出願者数55名、合格者数33名、約1.66倍 観光経営科学コース特別選抜:出願者数21名、合格者数10名、約2.1倍 ※入学倍率は2023年度の弊社調査によるもので実際とは異なる可能性もございます。 |
国際認証 | EQUIS |
ゼミ活動 | あり(ワークショップという名称) |
修士論文 | なし(ただし、研究をプレゼンするための資料作成と研究レポート20枚以上が必要) | 年齢構成 | 新卒29%、社会人71%(2021年) | 男女比 | 62:38(2021年) |
学費 | 2年制:1,353,600円 |
住所 | 606-8501 京都府京都市左京区吉田本町 |
電話番号 | 075-753-3410 |
URL | https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/education/mba/ ※最新情報については上記公式サイトからご確認下さい。 |
特徴について
国内トップレベルの研究と充実した科目
京都大学は教育機関として、創設以来数多くの優れた人材を育成してきました。
京都大学ビジネススクールでも同じく研究についてアジアトップレベルの成果を生み出し、マネジメント研究と高度に専門的な実務との架け橋となる教育体系を開発し、幅広い分野において個性ある人材の育成を行う役割を目指しています。
また、研究の自由と自主を基礎に高い倫理性を備えたマネジメント研究により、地球社会の多様かつ調和の取れた発展に貢献することもミッションとして掲げています。
段階的履修を可能にするカリキュラム体系
経営学の理論的思考を身につけ、企業、官公庁、NPOなどの実課題の解決を目指します。働きながらあるいは休職して通う社会人、退職し次のキャリアを目指す社会人、様々なバックグラウンドを持つ留学生など、多様な人材が学んでいます。
新卒でも入学が可能
京都大学ビジネススクールのでは全日制授業(昼間)でじっくりと勉強に向き合います。
多くのビジネススクールの入学条件として社会人経験が3年以上となっていることが多いのに対して、一般選抜では大学学部卒(新卒)でも入学が可能です。
そのため平均年齢が他のビジネススクールよりも若くなっています。
特徴としては経営層としての活躍が将来期待される実務経験者や、高度専門職でのキャリアを希望する社会人・新卒の方を対象として、深い思考力と的確な分析能力の育成を図ります。
4つのプログラム群から自分に興味関心があるものを選択可能
日本経済の現状において、時代の要請に即した緊要かつ緊急に必要とされる領域に対応するため、4つの教育プログラムを提供しています。
学生は入学の際に4つのプログラムの中から1つのプログラムを選択し、それぞれの履修モデルに従い、授業を選択していく事になります。
多様なネットワーク形成
京都大学ビジネススクールでは将来有望な若手の方も多く、多様なネットワーク形成が期待出来ます。
また、1学年の定員が60名程度と他のビジネススクールよりも少ないことから、少人数でじっくりと仲良くなることも可能です。
ビジネスの機会が得られたり、ビジネスパートナーと出会ったり、この人的ネットワークという資産から、さまざまな恩恵を享受できるのではないでしょうか。
入試について
京都大学ビジネススクールの入学試験は一般選抜であれば筆記試験が11月、特別選抜であれば面接が1月と年に1回です。
職務経験の無い方やお仕事を辞めたり休職して通学予定の方は一般選抜、企業派遣や自営業の方などお仕事を続けながら通学予定の方は特別選抜での受験になっています。
一般選抜の入試試験
- 小論文 (配点 100 点)
- 筆答試験 (配点 200 点)経営学、会計学、経済学、数学の4科目から当日1科目を選択
- 英語力検定試験スコア (配点 100 点)
特別選抜の入試試験
- 第1次選考(提出書類)の成績 (配点 200 点)
- 英語力検定試験スコア (配点 100 点)
- 面接の成績 (配点 200 点)
筆記試験の難易度は国内ビジネススクールの中で最も高いレベルであると考えられるため、事前に十分な対策を行うのがおすすめです。
京都大学ビジネススクール特別選抜の書類審査は学習計画書が求められており、以下のようなことが聞かれます。
- 今まで関わってきた社会人としての経験等について特筆すべきものを具体的に記述しなさい。どのような仕事等に関わり、なにを学んだか、といった点について書いてください。(学部卒業後、就職せず大学院等に進学した場合などは、その経験をお書きください。また、特に技術士あるいはAPECエンジニアの資格を有するものは取得年月日と取得分野を書いてください。)
- 本教育部の志望動機について記述しなさい。
- 修了後の進路希望、学んだことを生かしてどのように社会的に活躍しようという意思を持っているか、について記述しなさい。
- 現代のマネジメントの課題は何か、自分がもっとも重要な課題であると考え、その解決のために関わっていきたいと考えている課題について説明しなさい。
- 自己アピールについて自由に記述しなさい。
面接は2名の教授によって行われることが多く、20分程度で提出した課題エッセイを中心に聞かれることとなります。
入試対策について
入試対策についてまずはご自身がどちらの入試を受けるかについて事前に把握しておきましょう。
筆記試験の方は経営学、会計学、経済学、数学の中から選択するため、自信のある科目について深く勉強しておくことがおすすめです。
課題エッセイは①自身の実務や学業経験についての経歴と実績、②自身の経験を元に問題意識の提示、③問題意識を解決する方法と仮説構築、④京都大学ビジネススクール(MBA)でなぜ研究する必要があるのか、⑤マネジメントにおける自分なりの考えと課題といったことを理論的に纏めましょう。
また、英語力検定試験スコアも提出が必要ですので、予め英語力を高めておきスコアの提出も必要です。
面接対策は提出した課題エッセイを元に聞かれることとなりますので、上記で記載したことを論理的に答えられるようにしておきましょう。
参考:京都大学大学院 経営管理教育部 経営管理専攻 過去の入試情報
プログラムと費用について
2年制で1,353,600円となっており、国立大学ということもあってビジネススクールの中では比較的安く通うことができます。
中には授業内容やレベル感を知るためにも単科講座を受講してから受験している方も多いようです。
また、各種奨学金や教育訓練給付金の支給が適用される場合もありますので、入学前に該当するものはないか調べてみても良いと思います。
授業内容について
教員の授業スタイルは多種多様です。
ケースメソッドを利用した授業もありますが、他のビジネススクールと比べると講義形式の授業が多いと言えます。
グループでのプレゼンをする機会も多く、調査・分析や資料作成を交えて活発に議論を行うことも多いです。
ゼミ活動について
2年目からワークショップと呼ばれているゼミ活動として専属の教員が付いた上での講義があります。
修士論文は必須ではありませんがレポート作成があり、ボリュームは20枚から40枚位の方が多く、ボリュームよりもアカデミックでしっかりとした内容が求められることとなります。
在学生はもちろん、OB・OGや後輩との繋がりなど重要なネットワークコミュニティになるのは間違いありません。
オンラインへの取り組み
新型コロナウイルスの感染拡大を背景にオンライン授業への移行もしてきました。
オンライン授業と対面形式での授業のハイブリッド形式にて行われています。
最近では感染拡大も落ち着いてきたことから基本的には通学がメインとなります。
評判について
京都大学ビジネススクールは実務経験を基盤としつつ、マネジメントに関わる専門知識と分析能力を高め、企業はもちろん社会の中枢部において指導的役割を果たす人材を育成することを目的としています。
若手の方でコンサルティング業界や外資系、投資銀行など大手企業へ就職する方も多く、国内トップレベルのビジネススクールという評判になっています。
学生について
学生は留学生も多く、男女比率は62:38くらいです。
新卒29%、社会人71%と比較的若い方が多いことも特徴と言えるでしょう。
また、様々な年代の多様なバックボーンを持った学生同士の議論はあらゆる角度から検証し強固なものとしています。
普段のお仕事における役職は関係なくフラットに議論できる環境ですが、特に実務経験の長い学生からの意見は教科書では学ぶことの出来ない現場の生の声を伝えていることが多いと言えるでしょう。
卒業生の進路について
企業派遣の方は派遣元の企業に戻る場合が大半ですが、授業を共にする仲間に刺激されて在学中に転職する学生や、起業を志す学生も見受けられます。
それ以外の方では事業会社や金融機関での将来のマネジメントを担う人材として、あるいは経営コンサルタントやアナリストなどの高度専門職としての活躍が期待されます。
参考:京都大学大学院 経営管理教育部 経営管理専攻 修了後のキャリア
おすすめの方
京都大学ビジネススクールは全日制コースのため、学業に専念できる環境の中で同期入学の方などと深いコミュニケーションを通じてネットワークの幅が広がると思います。
実務と研究における教育環境の提供に定評があり、マネジメントやリーダーシップに関心がある方にピッタリの学校と言えるのではないでしょうか。
また、若手の方も多いため、将来のキャリアアップを目指すために経営の専門知識とスキルを磨きたい方にも人気があります。
日本では珍しい観光コースの設置もあるため、旅行や観光業の方にもおすすめと言えるでしょう。