国内ビジネススクールの受験を検討されている中で慶應ビジネススクールのExecutive MBA(EMBA)を考えられている方も多いのではないでしょうか。

今回は慶應ビジネススクール EMBAの入学試験、受験対策についてご紹介いたします。

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慶應ビジネススクール EMBAとは

慶應ビジネススクールは慶應義塾大学大学院経営管理研究科のことで、神奈川県横浜市港北区日吉にキャンパスを構える慶應義塾大学の経営大学院です。

1962年に創立された日本で最も歴史のあるビジネススクールで、MBAやPh.D.といった学位を授与するプログラムを提供する【慶應義塾大学大学院経営管理研究科】と、様々な短期間のエグゼクティブセミナーを提供する【慶應義塾大学ビジネス・スクール】があり、両者を包括して、創立時からの名称である「KBS」と呼んでいます。

ミッションとして「KBSは新たな構想を作り実現するリーダーを育成する。そのために、多様な学生がともに学ぶ喜びを知り、世界一線級の研究を発信し、実務経験と体系的知識を融合する場を提供する。」ということを掲げており、ケースメソッド形式の授業を積極的に取り入れていることでも有名です。

Executive MBAは新たなプログラムとして、2015年に開設されました。従来のMBAプログラムはフルタイムで学びますが、EMBAプログラムは中核人材の育成を目指し、入学条件として15年以上の勤務経験が必要で、土曜日を中心として授業を行っています。職責を果たしながら、より高いレベルの経営スキルを求める人を対象としたプログラムです。

EMBAプログラムでは、以下のような成果を目指しています。

第1に、ビジネス経験のある社会人が、改めて各分野の体系的知識を得ること。

第2に、ケースメソッドによってその知識を実践的に活用して、自社の問題を発見し解決するスキルを身につけること。

第3に、経営者としての情熱、使命感、志について考え体得すること。

第4に、日々直面する短期的な課題に取り組むだけではなく30年後、50年後という長期的な視点に立って、自らが所属する企業や業界、日本やアジア、さらには地球規模で経済社会のあるべき姿を設計することです。

基本情報

学校名 慶應義塾大学大学院 経営管理研究科
(慶應ビジネススクール:略称KBS)
プログラム 修士課程 Executive MBA (夜間)
入学試験時期
(2026年4月入学)
出願方式A(企業派遣):出願期間 12月5日(金)~12月17日(水)、入学試験(面接)2月1日(日)
出願方式B(一般入試):出願期間 12月5日(金)~12月17日(水)、二次試験(筆記、面接)2月1日(日)
入学試験内容 出願方式A(企業派遣):書類選考、面接
出願方式B(一般入試):書類選考、筆記試験、面接
入学倍率 出願者数115名、合格者数59名、倍率1.95倍
※入学倍率は2025年度で、弊社調査によるもののため実際とは異なる可能性もございます。
国際認証 AACSB
ゼミ活動 あり
修士論文 あり
平均年齢 約45歳(平均勤続年数22年)
学費 2年間合計費用:約713万円
住所 〒223-8526
神奈川県横浜市港北区日吉4-1-1

電話番号 045-564-2441

URL https://www.kbs.keio.ac.jp/graduate/emba/index.html
※最新情報については上記公式サイトからご確認下さい。

入試倍率について

2025年度の入学倍率は出願者数115名、合格者数59名、倍率1.95倍となっており、例年1.5~2倍前後くらいの倍率となっております。

年度 倍率
2025年度 1.95倍
2024年度 1.63倍
2023年度 1.66倍
2022年度 1.69倍

評判について

高度なスペシャリストやグローバルで活躍できるようなビジネスリーダーの育成を目指し、国内でトップクラスのEMBAとして評判です。

授業スタイルの特徴であるケースメソッドでは、受身の姿勢で知識を身につけるのではなく、自らの考えを積極的に説明し討論する双方向型の授業方法を経験することで、実践的な経営能力を身につけることが特徴です。

一般的な知識や理論の一方的講義からは得られない実践的な経営意思決定を行う実務能力、分野横断的に知識を体系化する能力、実務と理論を融合することによって生まれる強力なリーダーシップと経営に対する使命感を得ることが期待できます。

学生について

実務経験が15年以上必要なため、平均年齢は45歳と職務実績が豊富な学生が集まっています。

大企業を中心に管理職以上のマネジメント層がメインです。

また、他校と比べてもネットワーク力が強いことに定評があり、年次が被っていなくてもKBSに通っていたことによるネットワークで卒業してからもコミュニケーションが取りやすいのではないでしょうか。

日本で最も歴史があるビジネススクールであることからOBOGの数が多いことも特徴です。

卒業生の進路について

企業派遣の方は派遣元の企業で働き続ける場合が大半ですが、一般入試の学生は授業を共にする仲間や教員に刺激されて在学中に転職する学生や、起業を志す学生も一部見受けられます。

ただ、他校と比べて元々所属している企業でキャリアアップを目指している方が多いです。

入試について

・A方式(企業派遣):書類選考、面接
書類選考の中に含まれる入学志願調査書(エッセイ)では、自身の職務経験や社会的活動から生じた問題意識や課題を叙述し、それに基づく本研究科での学習計画や卒業後のキャリアプランなどをそれぞれ作成するものです。
面接は3名の教員が担当し、15分程度で提出した書類やお仕事について聞かれることが多いです。

・B方式(一般入試):書類選考、筆記試験、面接
上述のA方式の内容に加えて、筆記試験として小論文があります。内容は年によっても多少異なりますが、主に経営学や経済学に関する文章を読んだ上で、著者のメッセージ性や自分の考えを300〜400文字程度で回答する場合が多いです。

入試対策について

ここからは入試対策について具体的に見ていきましょう。

提出書類について

入学志願調査書(エッセイ)では、
①英語力
②職歴
③研究歴(卒論など)
④志望動機、卒業後のキャリアプラン
⑤問題意識と解決策
⑥貢献できること
⑦現在自分が不足しているもの
⑧業務と学業の両立について
が設問としてありますので、それぞれ指定された文字数で簡潔に回答することが求められます。

英語に自信が無い方や普段英語をあまり使わない方は、事前に英語の勉強をしておいてTOEICなど英語のスコアを提出した方が合格率が上がりやすいです。点数の目安としてはTOEICであれば800点以上あれば英語力で減点になることは無いと見られます。

卒業後のキャリアプラン、問題意識と解決策、貢献できることについては個人だけの視点ではなく、企業や業界、社会性など視野を高めてビジネスリーダーとしての観点から考えることがおすすめです。

また、修士論文の研究内容について記載する箇所はありませんが、自分の問題意識を元に研究テーマの作成、先行研究の調査として論文や本の読み込みもしておくと面接対策としても有効でしょう。

面接について

面接は3名の教授で行われることが多く、15分程度で提出した書類やお仕事について聞かれることが多いです。

EMBAでは実務経験が豊富な方が受験生で多くいるため、今までの職務実績やマネジメント経験、経営を中心とした学力についてのアピールも重要です。

 

おすすめの方

慶應ビジネススクール EMBAは大手企業の経営幹部や幹部候補が多いことから、将来経営層になりたい方におすすめです。

また、海外への交換留学やEMBAコンソーシアムに加盟している1週間のインターナショナルサマープログラムへの参加など、グローバルビジネスに興味関心がある方にもおすすめです。

実践的な教育環境の提供に定評があり、マネジメントやリーダーシップに関心がある方にもピッタリの学校と言えるのではないでしょうか。

この記事を書いた人
この記事をかいた人 太田 卓(MBAゼミナール プログラムディレクター・講師)証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2017年7月株式会社Milkyways設立。2022年より国内ビジネススクール(MBA)の入学対策予備校・塾であるMBAゼミナールをスタート。 早稲田大学大学院商学研究科専門職課程ビジネス専攻(現:経営管理研究科)修了。