2026年度ビジネススクールの入試要項が各学校より発表される時期になっており、過去の受験者数や合格者数も公表している学校があります。

その中で昼コース(全日制)は受験者数が減っている学校が多く、慶應ビジネススクールの受験者数が2年でほぼ半減になっているようです。

今回は国内MBAの入試状況についてご紹介いたします。

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国内MBAの昼コースの受験状況について

日本のビジネススクールでは大きく分けて平日の日中に通う昼コース(全日制やフルタイムと呼ばれることもあり)と、平日の夜や土日に通う夜間コース(パートタイムと呼ばれることもあり)があります。

昼コースは学部から進学する方、仕事を退職もしくは休職(企業派遣含む)して通う若手の方が多く、夜間コースは仕事を続けながら通う中間管理職クラスの方が多くなっています。

具体的に各学校の受験状況について見ていきましょう。

慶應ビジネススクール

慶應ビジネススクール(KBS)は慶應義塾大学大学院 経営管理研究科のことで、神奈川県横浜市港北区日吉にキャンパスを構える慶應義塾大学の経営大学院です。

1962年に創立された日本で最も歴史のあるビジネススクールで、実践的な教育方法であるケースメソッドを採用していることが特徴と言えるでしょう。

国際認証も複数取得しており、教育機関の評価を行なっているEduniversal Business Schools Ranking 2024において、日本の昼コースで1位を獲得するなど外部からの評価も高くなっています。

受験者数は2年でほぼ半減になっているようです。

・慶應ビジネススクールMBAの倍率

年度 受験者数 合格者数 倍率
2025年度 182 73 2.49倍
2024年度 279 75 3.72倍
2023年度 354 88 4.02倍

なお、夜間コースのEMBAの倍率は以下の通りで、増加傾向であることがわかります。

・慶應ビジネススクールEMBAの倍率

年度 受験者数 合格者数 倍率
2025年度 115 59 1.95倍
2024年度 85 52 1.63倍
2023年度 96 58 1.66倍

一橋ビジネススクール

一橋ビジネススクール(HUB)は一橋大学大学院 経営管理研究科経営分析プログラムのことで、東京都国立市にキャンパスを構える一橋大学の経営大学院です。

2018(平成30)年4月に、経営学修士コースを中心として、修士課程の教育プログラムを大幅に改編しました。

少人数でのクラスを中心として、企業経営に関わる幅広い領域を、講義やケースなどを通じて学ぶとともに、経営戦略やファイナンスなどの高度な分析手法を身につけます。

受験者数は3年でほぼ2/3になっているようです。

・一橋ビジネススクール経営分析プログラムの倍率

年度 受験者数 合格者数 倍率
2025年度 116 51 2.27倍
2024年度 142 52 2.73倍
2023年度 140 53 2.64倍
2022年度 182 54 3.37倍

なお、夜間コースの経営管理プログラム(ホスピタリティ・マネジメント・プログラム含む)の倍率は以下の通りで、増加傾向であることがわかります。

・一橋ビジネススクール経営管理プログラムの倍率

年度 受験者数 合格者数 倍率
2025年度 338 63 5.36倍
2024年度 363 65 5.58倍
2023年度 358 67 5.34倍
2022年度 304 64 4.75倍

京都大学ビジネススクール

京都大学ビジネススクール(GSM)は京都大学大学院 経営管理教育部経営管理専攻のことで、京都市左京区にキャンパスを構える京都大学の経営大学院です。

2006年4月に、京都大学の自由な学風のもとで、高度経営専門職人材を育成するための専門職学位課程を擁する大学院としてスタートしました。

先端的なマネジメント研究と高度に専門的な実務との架け橋となる教育体系を開発し、幅広い分野で指導的な役割を果たす個性ある人材を養成するとともに、高い倫理性を伴った研究を推進することで、地球社会の多様かつ調和の取れた発展に貢献することを理念としています。

一般選抜と特別選抜(社会人向け)の合計した受験者数は以下のとおりです。i-MBA、観光経営科学コースは除いております。

・京都大学ビジネススクールの倍率

年度 受験者数 合格者数 倍率
2025年度 232 51 4.54倍
2024年度 229 62 3.69倍
2023年度 269 58 4.63倍
2022年度 274 55 4.98倍

また、早稲田は2026年度より日本語昼コースの2年制が廃止となり、1年制のみになるなど、昼コースの受験者数が全体的に減っていると考えられます。

昼コースの受験者数の減少の理由とは

昼コースの受験者数が減少傾向にある学校が多いと見られますが、理由について見ていきたいと思います。

コロナが落ち着いて就職環境が回復

2021年頃より新型コロナウイルスの影響で、雇用情勢が悪化した業界が多かったことを覚えている方も多いのでは無いでしょうか。

昼コースの受験生は学部卒もしくは修士卒から進学する方も多く、新卒採用が絞られたことで進学を目指した方も多かったと考えられます。

筆記試験の再開

一部学校ではコロナの影響で筆記試験を廃止していたところもあり、受験がしやすくなったことも考えられます。

現在では多くの学校で筆記試験が再開されたため、特に日本語がネイティブでは無い海外出身の受験生にとっては負担が大きくなりやすいです。

コロナが落ち着いて倍率は元通りに

昼コースの受験者数は2〜3年程度で減少している学校も多いですが、コロナの影響で一時的に増えていただけとも言えます。

現在はコロナ前の水準に戻ってきている学校も多く、倍率が高くて受験を控えていた方にとってはチャンスかもしれません。

人気校であれば一定の合格水準は設けられているため、研究計画書、筆記試験、英語、面接対策などは事前にしっかりと対策と準備を行なっておきましょう。

この記事を書いた人
この記事をかいた人 太田 卓(MBAゼミナール プログラムディレクター・講師)証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2017年7月株式会社Milkyways設立。2022年より国内ビジネススクール(MBA)の入学対策予備校・塾であるMBAゼミナールをスタート。 早稲田大学大学院商学研究科専門職課程ビジネス専攻(現:経営管理研究科)修了。