近年では日本でもビジネススクールが増えてきていることもあり、MBAに関心を持っているという方も多いでしょう。

また、MBAに行くほどではないものの、どんなことを学んでいるのかを知っておくことで、仕事に活かせることがあるかもしれません。

今回はビジネススクールで学ぶ代表的な科目と科目と教科書や本についてご紹介させていただきます。

バナー

MBAの授業で教科書はあるのか

MBAの授業で教科書はあるのかという疑問をお持ちの方もいるかもしれませんが、ある場合と無い場合があります。

ある場合に多いのが世界的に有名な本を教科書として取り上げている場合と、授業で教える先生自身が書いた本を教科書として使っている場合です。

教科書が無い場合には参考文献として事前に何冊かの本をインプットしておくことを勧められる場合や、ケースを買ったり配られたりしてケーススタディを行う授業もあります。

MBAで学ぶ代表的な科目とは

MBAで学ぶ科目のジャンルとしては「経営戦略」、「マーケティング」、「ファイナンス」、「会計」、「人材・組織」などがあります。

ビジネススクールによっては呼び方が違う場合もありますが、概ね経営に関して必要なジャンルが網羅されています。

MBAの目的としては経営に関する知識を学ぶことを第一に挙げている方も多いでしょう。

必修科目で学ぶ以外に、自分で興味のある分野について授業をとって知見を深めていくのが一般的です。

また、この他にも最近では「ベンチャー」について力を入れている学校も増えており、ゼミを設けている学校もあります。

青山ビジネススクールでは企業倫理とコンプライアンスが必修科目となっていたり、グロービスではクリティカル・シンキングの人気があるなど各学校によって特徴的な授業も設けられています。

具体的に各科目について見ていきましょう。

経営戦略

経営戦略はMBAで最も人気のあるジャンルで、花形と言われるような人気の教授陣を揃えてアピールしている学校が多いです。

経営戦略で利用されることの多いフレームワークを学んだり、ケーススタディを通じて経営戦略を自分なりに考えてみるといった授業が中心になります。

教授陣は大きく分けて2つに分類されます。

コンサルティングファームで活躍していた教授

マッキンゼー、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)など戦略系コンサルティングファームで活躍していた方が教授となって経営戦略を教えているパターンです。

学校にもよるものの、おそらく一番人気が高い授業ではないでしょうか。

理由としては、「ブランド力がある」、「コネクションで大手上場企業社長などのゲストを授業に呼べる」、「学生が将来コンサルティングファームで働きたいので接点を持ちたい」といったことが挙げられます。

シンクタンクやアカデミックな研究を続けてきている教授

もう一つがコンサル出身ではなく、主に経営の研究を行なって経営学の知見を高めている教授です。

特に欧米のビジネススクールの場合、生徒からの授業に対する評判よりも、いかにアカデミックな研究論文を著名な学会や文献で発表しているかということが評価の功績として計測されることが多いため、経営学のアカデミックな研究を行なっている教授も非常に多く見受けられます。

マーケティング

マーケティングも経営戦略同様に人気の授業で、海外MBAではマーケティングに強みを持つビジネススクールも多くあります。

特に消費財、飲料・食料、自動車といったBtoCのメーカーでキャリアアップを行なっていきたい方などに人気があります。

マーケティングの特徴としてはMBAの中でも一番動きがある科目で、新しい概念や研究結果が出て来ることが挙げられるでしょう。

ファイナンス

MBAでファイナンスというと一般的にはコーポレートファイナンスを指していることが多いです。

ファイナンスに関しては金融関連や財務畑で働いていない方にとって、やや苦手意識がある方もいるかもしれません。

MBAで初めてファイナンスを学ぶという方も多く、専門性の高い分野ではありますが、経営や大企業のマネジメント、資金調達を行う上では避けて通れないのがファイナンスでもあります。

必ずしも数式を全て覚える必要はありませんので、ファイナンス理論を理解しておくこととどういった場合に使えるかを覚えることを第一歩として取り組んでいきましょう。

アカウンティング

アカウンティング(会計)はファイナンスに近いため混同しがちですが、別の学問として取り扱われています。

会計には大きく分けて財務会計と管理会計があり、マネジメントを行なっていく上では財務会計の知識だけではなく管理会計の知識も欠かせません。

人材・組織

マネジメント層や人事部門に人気があるのが人材・組織論です。

経営を円滑に行なっていくには、経営戦略と同じくらい自社の人的リソースを最大限活用するために組織論が重要であると言えます。

ベンチャー

MBAはもともと大企業の幹部候補向けに行われたのが始まりといわれておりますが、近年ではベンチャーについて力を入れているビジネススクールも増えてきました。

ベンチャーでは大きく分けてベンチャー経営とベンチャーファイナンスがあり、必ずしも自分がベンチャー企業を経営したりベンチャー企業で働かなくとも、ベンチャー投資を行う可能性がある方にもおすすめです。

この記事を書いた人
この記事をかいた人 太田 卓(MBAゼミナール プログラムディレクター・講師)証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2017年7月株式会社Milkyways設立。2022年より国内ビジネススクール(MBA)の入学対策予備校・塾であるMBAゼミナールをスタート。 早稲田大学大学院商学研究科専門職課程ビジネス専攻(現:経営管理研究科)修了。