国内ビジネススクール(MBA)の面接で聞かれることと対策のポイントとは
国内ビジネススクール(MBA)の入試では必ず面接がありますので、事前にどのようなことを聞かれるのか対策しておくことが合否にとって重要になります。
今回は国内ビジネススクール(MBA)の面接で聞かれることと対策のポイントについてご紹介いたします。
目次
国内ビジネススクール(MBA)の面接対策について動画で解説
早稲田大学ビジネススクール(WBS)卒で、現在WBS稲門会(OBOG会)幹事長である稲田講師が担当している面接で聞かれること、伝えることについての対策講義ダイジェスト版です。
国内ビジネススクール(MBA)の入試項目
国内ビジネススクールに入学するために受験生が審査される項目は「研究計画書や志望動機などの書類審査」、「小論文や筆記などの試験」、「教授陣との面接」と大きく分けて3つです。
中には小論文や筆記などの試験が無い学校や新型コロナウイルスの影響で免除になっている学校もあります。
研究計画書や志望動機などの書類審査
書類審査に関しては経歴書、履歴書などの願書とともに提出する研究計画書や志望動機書類が重要です。
「志望理由書」、「エッセイ」、「研究計画書」など呼び名は様々ですが、ポイントとしては、①受験する志望動機、②MBA通学中に具体的にどのようなことを学んでいきたいか(研究計画)、③修了後のキャリアゴールの3つです。
そのポイントを客観的に理解できるように書類として論理的にまとめていくことが必要になります。
小論文や筆記などの試験
小論文や筆記試験は無い学校もありますが、早稲田や慶應などの人気私立と一橋や東京都立などの国公立では入試項目として設けられています。
内容は各学校によって違うので過去問を調べてみて対策するのが良いでしょう。
教授陣との面接
提出書類や筆記試験に合格すると、次のステップとしてそのビジネススクールからの面接に呼ばれることになります。
面接の形式としては試験官2~3名、時間は15~30分程度です。
面接の中ではビジネスパーソンとしてのコミュニケーション能力や学校への志望度の高さが十分かどうか問われます。
具体的な質問内容について
面接でどのようなことが質問されるか、ということに関してですが、答えはシンプルです。
基本的には志望理由書と研究計画書に記載した内容の中から質問されることがほとんどです。
したがって①志望動機、②MBAで学びたいこと、③修了後のキャリアプランなどが適切に記載されていれば基本的には問題ありません。
では、より具体的な質問例を紹介していきましょう。
まずMBAの志望動機です。なぜ、今MBAを取得したいのかという志望動機です。そのうえで、数あるビジネススクールのなかで、なぜその学校を志望するのか、ということについても問われることがあります。
次に、MBAで学びたいことです。
研究計画書の提出が求められる学校では「なぜそのテーマの学習をしたいのか」、「修了後どのように実務に活かしていきたいか」ということに答えていきます。
最後にキャリアプランです。
MBAを修了した後はどのようなキャリアを描いているのか。
例えば、起業して新しいビジネスを立ち上げていくのか、あるいは転職して新しいフィールドに挑戦するのか、あるいは現在の勤務先でのキャリアップを狙っていくのか、といったことを論理的に説明していきます。
特に、将来のキャリアプランを考える上では、身を置きたい業界において自分がどのような立場でどのように課題解決をしていきたいか、についても答えられる準備をしておくとより安心できるでしょう。
中にはやや圧迫面接気味の場合もあり、自分が想定していないポイントを聞かれることも多々あります。
研究計画書に書いてあることが、受験のために上辺で書いたことではないことを確認するために様々な角度で質問し、それに対してどの程度深く考えているかを見ているのです。
面接官の真意とは何か
面接官はなぜ上記のような質問をしてくるのか考えてみましょう。
入学への本気度
受講生が心から面接をしているビジネススクールを志望しているかどうかという、本気度を確かめたいということが言えます。
ビジネススクールは「質」の高い授業を通じて、その学校の評判を高めたいという背景があります。
授業への貢献が期待できる受講生を獲得したいという思惑がありますので、受講生が高い熱量をもって、MBAに挑戦する意欲があるかどうかというところを見極めています。
また、受験は1校だけではなく複数の学校に併願している場合も多いです。
その中で優先順位の見極めも同時に行われていると言えるでしょう。
学校との相性
次に考えられるのは学校との相性です。
相性という意味では大きく2つの観点があります。
1つは人柄とか性格といった人間性です。
MBAではケースディスカッションで多くの人の意見を聞き、受け入れた上で建設的な議論を積み重ねていきます。
そのため、どれだけ論理的思考力が高くても、相手の意見を受け入れることができない、グループワークを行っていくときに共助の姿勢が乏しい、という受講生では、相応しくありません。
そのため、人間性という観点での相性を見られています。
もう1つは学校の求めている人材かどうかの相性です。
例えば、起業人材を多く輩出したいビジネススクールであれば、起業経験のある人材、起業家精神の高い人材が欲しいでしょう。
あるいは、大企業のエグゼクティブクラスの人材を増やしたいというビジネススクールであれば、大企業のマネジメント候補、リーダー層の人材が欲しいはずです。
このようなビジネススクールのニーズとの相性を見られていますので、予め学校が欲しい人材ニーズを見極めておくことが重要です。
地頭力
最後が、思考の深さ、思考の意欲、そして思考を継続できる体力といった「地頭力」をチェックされています。
回答に対する面接官からの質問に対しても、考え続ける意欲・体力があるかどうか、論理的に説明する力があるかを見ています。
地頭力が高い人物であればあるほど授業への貢献度も高いことが期待されます。
また、実際のビジネスの現場でも実績を出せる人物であろうという評価がされます。
面接対策のポイント
面接のイメージが出来てきたら、最後に面接に臨む上での対策のポイントについて触れていきたいと思います。
自己分析の徹底
まずは自己分析を徹底し、将来のキャリアプランをどのように描くかを考えてみましょう。
そしてキャリアプランを達成する手段としてなぜMBAが必要なのか、なぜその学校なのかを考える必要があります。
ビジネススクールに通う理由については十分であっても、なぜその学校なのかが不十分だと他の学校でも良いのでは?と思われてしまいかねませんので、しっかりと対策を練ってから臨みましょう。
論理的な説明力
当然ながら面接官は受講生のことを詳しくは知らない訳ですから、まずはその事実を理解することが大切です。
その上でご自身の考えを論理的に表現する力を備えること、つまり限られた時間で相手からの質問などの情報を的確にインプットし、論理的で一貫性のあるアウトプットを出せるようになることが大切です。
熱量
以外と見落とされがちなのが熱量です。
面接官は何十人もの受講生と対峙することになります。
その中で熱量を持って自分をPRできるか、自分がこの学校に入ったらこのような貢献をしたいです、将来このような自分になりたいです、そういった熱量をしっかりとぶつけ印象に残るPRをしましょう。
普段よりも大きめの声とジェスチャーなども踏まえて説得力のある振る舞いが重要です。
面接対策は事前に時間をかけて行おう
面接は書類や筆記試験の合格後に行われることが多いので事前にしっかりとした準備を行わない方も多いです。
しかし、近年では人気校を中心に倍率が上がっている傾向にあるため面接の重要性も高まっています。
提出した書類のことは必ず聞かれますので、面接対策を踏まえて書類の段階から意識しておきましょう。
また、面接については自分の頭の中だけで行うのではなく、第三者を交えて何回か練習もしておいた方が良いです。
質問に対して思ったように答えられなかったり、話が長くなってしまうことも多いため何回も練習して本番に臨むようにしましょう。
面接の練習を動画で撮ってみて自分で見ながら改善していくこともおすすめです。