会社員をしながらMBAを目指す場合、平日の夜に通う「平日型」と土曜日や日曜日に朝から晩まで通う「休日型」のどちらが良いのでしょうか。

例えば平日型としては早稲田大学ビジネススクール、休日型の例として中央大学ビジネススクールがあります。

今回はパートタイムMBAの平日型と休日型の特徴についてご紹介いたします。

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平日型のパートタイムMBA

「平日の夜は週5で通わなくてはならない」と思っている人が少なくありませんが、会社員をしながらの場合、それはかなり難しいことです。

平日型、とはいっても多くの場合は平日の夜と土曜日の日中に講義を行っている学校が大半です。

平日は週に2、3日通い、土曜日にボリュームを持たせ朝から授業を受けるという人が多くなります。

例えば、2年間で50単位を取得する必要がある早稲田大学ビジネススクールの夜間主総合コースの場合、どのような履修計画になるか見てみましょう。

平日型のパートタイムMBAの時間割について

まずは時間割です。基本的には2時限が1セットとして、同じ科目を受けることになります。

平日:7時限目18:50~20:20、8時限目20:30~22:00
土曜:1時限目9:00~10:30、2時限目10:40~12:10、3時限目13:00~14:30、4時限目14:45~16:15、5時限目16:30~18:00、6時限目18:15~19:45
日曜:休み

【例】50単位(修了要件ギリギリ)をとる場合
※1科目が2単位です。

90分を14もしくは15コマ取る必要があります。

上記のように90分×2コマの通しで授業を受けるため、その科目の単位取得には回数にすると7回もしくは8回学校へ通う必要があります。

※実際にはすべての科目で合格するとは限らないため、履修は余裕をもって申請することがほとんどです。

また、平日夜の通学が難しい人向けに数日間集中して通うことで単位が取れる集中講義が8月と2月に用意されています。

■1年次

必修科目(早稲田大学では「コア科目」)を中心に履修。コア科目は財務やマーケティングなど経営学の基礎となる科目で、課題も重い傾向にあります。

春クオーター コア科目×2(4単位)+選択科目×2(4単位)=8単位
夏クオーター コア科目×2(4単位)+選択科目×2(4単位)=8単位
秋クオーター コア科目×2(4単位)+選択科目×2(4単位)=8単位
冬クオーター コア科目×1(2単位)+選択科目×2(4単位)=6単位
計:30単位

■2年次

1年次よりも履修を減らし修士論文に多くの時間を割く人が多い。選択科目は修士論文に関係する科目をとることが多いです。     

ゼミ4単位+論文2単位=6単位
春クオーター 選択科目×2=4単位
夏クオーター 選択科目×2=4単位
秋クオーター 選択科目×2=4単位
冬クオーター 選択科目×1=2単位
計:20単位

平日型のパートタイムMBAがある国内ビジネススクール

早稲田大学ビジネススクール(夜間主)以外に、平日夜+土曜日のスケジュールで受講できるのは

  • 青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科 イブニングコース
  • 明治大学ビジネススクール グローバル・ビジネス研究科
  • 立教大学 大学院ビジネスデザイン研究科
  • 法政大学ビジネススクール イノベーション・マネジメント研究科
  • 一橋大学大学院 経営管理研究科 経営管理プログラム
  • 筑波大学大学院 ビジネス科学研究科
  • 東京都立大学大学院 経営学研究科
  • などです。

    平日夜間の履修をする学校に通う大きなメリットは「休みが確保できる」という点でしょう。

    1年次は基礎となるコア科目(必修科目)の履修をできるだけ済ませておくことが必要です。

    そのため土曜日も早起きして授業を受けることになると思いますが、1年次にある程度単位を取ってしまえば、2年次には調整して土曜日は講義をとらないクオーターを作ることも可能です。

    そして、もともと日曜日に授業はないので、2連休を作ることもできます。

    【平日昼間会社+平日夜間学校+常時課題に取り組む】というスケジュールでは、体力ばかりか精神力も消耗してしまいます。

    緩急のメリハリをつけやすいのは平日型ではないでしょうか。

    一方で、上記恩恵を受けにくいのは小売りや外食などのサービス業や医療職のようなシフトで勤務している人たちです。

    休日がカレンダー通りではない場合は、むしろスケジュールが組みにくいかもしれません。

    休日型のパートタイムMBA

    平日は仕事に集中、仕事が休みの土曜日と日曜日を使い、勉強するというビジネススクールについて見ていきます。

    休日型のパートタイムMBAでは2年間の土曜日と日曜日をほぼすべて学業に費やすことになります。

    例えば、2年間で46単位を取得する必要がある中央大学ビジネススクールの場合どのような履修計画になるか見てみましょう。

    休日型のパートタイムMBAの時間割について

    まずは時間割です。

    基本は2時限が1セットとして、同じ科目を受けることになります。

    平日は原則オンライン、土日は対面です。

    月曜:休み
    火~金:6時限目18:30~20:10、7時限目20:20~22:00
    土曜:1時限目9:00~10:40、2時限目10:45~12:25、3時限目13:05~14:45、4時限目14:50~16:30、5時限目16:40~18:20、6時限目18:25~20:05
    日曜:1時限目10:00~11:40、2時限目11:45~13:25、3時限目14:05~15:45、4時限目15:50~17:30

    ※1科目が2単位です。
    100分を14コマ取る必要があります。

    上記のように100分×2コマの通しで授業を受けるため、その科目の単位取得には回数にすると7回学校へ通う必要があります。
    ※実際にはすべての科目で合格するとは限らないため、履修は余裕をもって申請することがほとんどです。

    土日のみでも修了可能です。

    【例】46単位(修了要件ギリギリ)をとる場合
    ■1年次
    第1セメスター(前半):必修科目×2(4単位)+選択必修科目×1(2単位)=6単位 
    第1セメスター(後半):必修科目×2(4単位)+選択必修科目×1(2単位)=6単位 
    第2セメスター(前半):必修科目×2(4単位)+選択必修科目×1(2単位)=6単位
    第2セメスター(後半):必修科目×1(2単位)+選択必修科目×2(4単位)=6単位
    計:24単位

    ■2年次
    第3セメスター(前半):選択科目×3(6単位)=6単位 
    第3セメスター(後半):選択科目×3(6単位)=6単位
    第4セメスター(前半):選択科目×3(6単位)=6単位
    第4セメスター(後半):選択科目×2(4単位)=4単位
    計:22単位

    (中央大学のMBAにおいて修士論文は修了要件ではありません)

    休日型のパートタイムMBAがある国内ビジネススクール

    中央大学以外に、休日型のスケジュールで受講できるのは

  • 神戸大学大学院 経営学研究科
  • 名古屋商科大学大学院 マネジメント研究科
  • などです。

    神戸大学に関しては土曜日が主で日曜日の授業はありません。

    専門科目は金曜の夕方に履修することがあります。

    休日型の学校は平日型と比べて少ないです。

    休日型のメリットとしては、平日は仕事に集中、休日は勉強に集中できることです。

    平日型の場合、緊急の業務が入ってしまうと、授業に間に合わなかったり欠席をせざるを得ないこともありますが、このような心配はなくなるでしょう。

    また、平日夜間は授業が18時30分~19時にスタートするため、職場と学校が近い場合や残業があまりない環境、フレックス制度が利用できる場合でなければ通学が難しいです。

    一方で土日開講の場合は、9時~10時に授業が開始のため、職場や自宅が学校と離れていても通うことができます。

    ただし、平日に仕事をして土曜と日曜が学校となると休まる日がありません。

    週に一回くらいは一息つきたい、という人にとっては少々きつい2年間になるかもしれません。

    自分の働く環境と合わせて考えてみよう

    平日型、休日型いずれにしても、どちらかのカリキュラムが楽というものではありません。

    職種や社風、家族構成も含めた生活、職場や家の立地など様々な観点から自分にとって通いやすい学校を選びましょう。

    パートタイム(夜間・土日)MBA、フルタイム(昼間)MBAの特徴について

    この記事を書いた人
    この記事をかいた人 太田 卓(MBAゼミナール プログラムディレクター・講師)証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2017年7月株式会社Milkyways設立。2022年より国内ビジネススクール(MBA)の入学対策予備校・塾であるMBAゼミナールをスタート。 早稲田大学大学院商学研究科専門職課程ビジネス専攻(現:経営管理研究科)修了。